富士フイルムのXシリーズカメラにキヤノン EFレンズを使えるようにするマウントアダプター2製品の比較を行いました。個人的にはVILTROXが気に入っていたのですが、意外にもK&F CONCEPTが非常に好印象でした。所有するレンズでテストした結果を紹介します。
マウントアダプターとスピードブースター
まずは、基本的な話から始めます。
富士フイルムのXシリーズカメラは、センサーサイズがAPS-Cですので、フルサイズのレンズを装着した場合、画角が1.5倍になります。(焦点距離が1.5倍になる感覚です)
この画角が1.5倍になるという特性により、APS-Cカメラにフルサイズのレンズを装着した際、広角系の表現がしづらくなってしまいます。
1.5倍の画角なってしまうのを補正するためマウントアダプターに0.71倍の補正レンズ(レデューサーレンズ)を内蔵させたものをスピードブースターと呼んでいます。
補正レンズを搭載せず、単にマウントの型変換するものをマウントアダプターと呼んでいます。
マウントアダプターとスピードブースターの特徴は、次の通りです。
このようにそれぞれ特徴があるので、マウントアダプターとスピードブースターの2つを揃えておくと便利です。
この記事で比較する製品は、マウントアダプターに絞っています。
VILTROX EF-FX1 製品概要
マウントアダプター本体、三脚座、説明書(英語、中国語)が付属しています。
三脚座、を取り付けた場合、純正ボトムレザーケースを付けたX-Pro2には、装着できませんでした。ボトムレザーケースを外すか、三脚座を外す必要があります。
EF-FX1には、内部にmicro USB接続口があり、ファームウェアのアップデートができるようになっています。ファームウェアは、同社のスピードブースターEF-FX2と同じものになります。
今回、テストで使用したVILTROX EF-FX1のファームウェアバージョンは、最新のV2.29です。
対応カメラ、機能については、次の公式サイトをご覧ください。
公式サイトにも対応レンズ詳細についての記述はありません。
K&F CONCEPT EF-FX AF 製品概要
マウントアダプター本体、三脚座、micro USBケーブル、説明書(英語、中国語)、写真には写っていませんが、三脚座用レンチが付属しています。
EF-FX AFには、内部にmicro USB接続口があり、ファームウェアのアップデートができるようになっています。
今回、テストで使用したK&F CONCEPT EF-FX AFのファームウェアバージョンは、V1.00です。
製品が出て間もないためV1.00となっていますが、今後のアップデートを待ちたいと思います。
対応レンズついては、次のAmazonのサイトをご覧ください。
詳しく掲載されています。
マウントアダプター ファームウェアバージョン確認方法
富士フイルム Xシリーズのカメラは、基本的に次の手順で確認できます。
- カメラの電源は、オフにしておきます
- カメラボディにレンズを装着したマウントダプターをセットします
マウントアダプターのみ装着してもバージョン確認はできません - DISP/BACKボタンを押しながら電源を入れます
マウントアダプター 比較
マウントアダプター レンズ別テスト結果
X-Pro2に以下のレンズとマウントアダプターを装着し、AFに関して使用テストをしてみました。
テストレンズは、自分が所有しているレンズとなります。
メーカー | レンズ | VILTROX EF-FX1 |
K&F EF-FX AF |
Canon | EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM | ◯ | ◯ |
EF 24-105mm F4L IS USM | △ | ◯ | |
EF 28-80mm F3.5-5.6 ⅡUSM | ◯ | ◯ | |
EF 70-200mm F2.8L USM | △ | ◯ | |
EF 80-200mm F4.5-5.6 USM | ◯ | ◯ | |
EF 85mm F1.8 USM | ◯ | ◯ | |
トキナー | AT-X 107 DX Fisheye 10-17mm F3.5-4.5 DX | × | × |
タムロン | SP AF 28-75mm F2.8 XR Di LD ASPHERICAL | ◯ | ◯ |
◯ スピーディーに合焦
△ 合焦するまでにまごつくことがある
× 非対応レンズと思われる
VILTROX EF-FX1 所感
比較的新しいレンズで使用する分には、問題なくスピーディーに合掌します。
古いレンズでは、AFがまごつくことがありました。
EF 70-200mm F2.8L USMは、1995年頃購入したレンズですが、合焦までに時々まごついていました。
EF 24-105mm F4L IS USMは、2008年頃購入したレンズですが、こちらも合焦までに時々まごついていました。
K&F CONCEPT EF-FX AFで発生したスタビライザーのジーッという動作音が、常時発生するということはありませんでした。
トキナー AT-X 107は、非対応レンズです。
K&F CONCEPT EF-FX AF 所感
自分が所有するすべてのレンズで高速合焦を実現していました。
合焦までのスピードは、キャノンボディと変わらない速さでした。
コンティニュアスAFにも対応しています。
1つ気になった点として、EF 24-105mm F4L IS USMを使用した時、シャッターボタンを半押しにしていないにもかかわらず、ジーッという動作音が発生していました。
スタビライザーをオフにするとこの動作音は、止まりました。
EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMで同じ事象が発生するか確認しましたが、このレンズではスタビライザースイッチをオンにしていてもこの動作音は発生しませんでした。
24-105mm F4L IS USMとの相性の問題かと思われます。
この音が気なる場合は、スタビライーザーをオフにして使う必要があります。
今回使用したK&F CONCEPTのEF-FX AFは、型番 JPKF06.465で、ファームウェアバージョンが1.0なので、ファームウェアバージョンアップにより、今後改善される可能性があるかもしれません。
この点以外は、問題なく高速合焦を実現してくれるので、私は、K&F CONCEPT EF-FX AFをメインで使用することにしました。
このマウントアダプターとEF-S 18-55mm IS STMの組み合わせで使用したいと思います。
また、皆既月食などを撮影する場合は、望遠レンズが必要になりますので、このマウントアダプターとEF 70-200mm F2.8L USM+EXTENDER EF 1.4x IIを組み合わせてX-Pro2で使用したいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
富士フイルムのXFレンズは、高価なため、以前買い揃えた他メーカーのレンズを所有しているのであれば、それを使いたくなるのは当然だと思います。
私は、ニコンユーザーから始まり、キヤノンユーザーとなり、今は富士フイルムユーザーになったという経緯を辿っているので、Fマウントレンズ、EFマウントレンズが手元にたくさんあります。
Fマウントレンズは、マニュアルフォーカスなので、積極的に使いたいとは思いませんが、EFレンズはAFレンズですし、所有しているレンズがLレンズだったりすると余計使いたくなると思います。
このような背景からAFが高速に動作するマウントアダプターを探していたのですが、K&F CONCEPTのマウントアダプターは十分使えるかなと実感しました。
少しでもみなさまの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
K&F CONCEPT EF-FX AFの詳細は、次のサイトをご覧ください。
VILTROX EF-FX1の詳細は、次のサイトをご覧ください。
VILTROX EF-FX2スピードブースターについては、次の記事をご覧ください。
VILTROX EF-FX1のファームウェアアップデートについては、次の記事をご覧ください。
記事は、EF-FX2ようですが、EF-FX1もダウロードするファームウェアと手順は同じです。
K&F CONCEPT EF-FX AFを使用してX-Pro2とキヤノン EF 70-200mm F2.8L USM+EXTENDER EF 1.4x IIの組み合わせでブルーインパルスの撮影を行いました。
撮影した画像は、次の記事で公開しています。
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