中国旅行の際、中国国内の長距離移動に欠かせないのが、航空機による国内線での移動と中国国家鉄路集団有限公司が運営する中国高速鉄道(高鉄)です。
高鉄のチケット(乗車券)を購入する方法は、いくつかありますが、公式アプリ鉄路12306でオンラインによる実名認証が2023年11月28日から外国人に対応したことで、外国人でも簡単にチケット(乗車券)を購入することができるようになりました。
以前は、実名認証のために高鉄の駅窓口に行って、中国語で実名認証をリクエストしなければなりませんでした。
これが、オンラインでできるようなったのですから、活用しない手はありません。
鉄路12306で購入したチケット(乗車券)は、QRコードになっており、紙の乗車券を発券することなく、改札ゲートを通過できるのが最大のメリットです。
購入時の決済方法としては、アリペイ(Alipay/支付宝)、WeChat(微信)、国際クレジットカードなどが利用できます。
※以下、チケット→乗車券、中国新幹線→高鉄と記載しています。
鉄路12306のインストールと設定
鉄路12306をインストールする
中国鉄道科学研究院集团有限公司の公式アプリ鉄路12306をダウンロードしてインストールします。
鉄路12306を起動するとこのような画面が表示されます
横にスライドして、とりあえず、全ての画面を確認します
この画面までスライドしたら、「Start now」をタップします
言語選択の画面が表示されたら、ここでは「简体中文」を選択します
言語選択の画面が表示されない場合は、トップページの下部にある「我的」をタップし、右上の歯車アイコンをタップして、「设置」—>「 语言设置」で言語選択ができます
トップページが表示されます
アカウント登録
トップページの下部にある「我的」をタップします
「未登录」をタップします
「注册」をタップします
用户名:自分でユーザー名を決めて入力
密码:パスワードを設定
证件类型:护照(パスポート)を選択
姓名:パスポートと同じ名前
性別:男/女
出生日期:生年月日を入力
国家地区:日本Japanを選択
证件号码:パスポート番号を入力
证件有效期:パスポートの有効期限を入力
手机号码:中国の携帯番号しか入力できないので、空欄のまま
电子邮箱:メールアドレスを入力
最後に同意にチェックを入れて「下一步」をタップします
確認画面が表示されるので、問題がなければ「确认」をタップします
登録したメールアドレスにメールが届くので、メールを確認するように書かれています
「完成注册」をタップして、一旦、登録を完了させます
「确定」をタップします
メールボックスを確認すると、次のようなメールが届いるので、URLをクリックして、登録したメールアドレスが、有効であることを証明します。
ログイン
それでは、登録したアカウントでログインしてみます。
ユーザーIDとパスワードを入力して「登录」(ログイン)をタップします
顔認証を有効にしたい場合は、チェックを入れて「开启」をタップします
ログインが完了しました
このままでは、まだ、乗車券は購入できません
実名認証の方法
実名認証とは、分かりやすく言うと本人確認です。
本人確認ができる資料をアプリからアップロードすることで完了できます。
実名認証が完了していないと、乗車券を購入できません。
トップページで「我的」をタップします
歯車アイコンをタップします
「 人证核验」をタップします
人证核验画面の第一步でアップロードするパスポートと同じ情報かを確認します
異なる箇所がある場合は、 「去修改」をタップして修正を行います
第二步では、护照(パスポート)の顔写真のページと自分の顔写真をアップロードします
カメラで撮影するか、アルバムに入っている写真を選択することができます
事前に写りの良い写真をアルバムに用意しておくことをおすすめします
写真を選択したら、チェックボックスにチェックを入れて、「立即上传」をタップします
実名認証を行うと、審査には、3〜5営業日かかるというメッセージが表示されますが、私の場合、土曜日に行ったにもかかわらず、5分後には審査完了のメッセージが届きました。
審査結果を確認するには、歯車アイコン—>「设置」—>「 人证核验」をタップします
成功画面が表示されれば、実名認証完了です
以降、鉄路12306アプリで高鉄の乗車券を購入することができます
実名認証が完了したかどうかは、「我的」画面でも確認できます
「已实名认证」に表示が変わって入れば、実名認証が完了しています
鉄路12306で乗車券を購入する
乗車券の発売開始時期
乗車券は、乗車したい日の14日前 13:30(中国時間)から購入可能になります。
乗車券の購入方法
トップページで乗車駅と降車駅、日付を入力して「查询车票」をタップします
自分の好きな時間を選択します
所要時間にばらつきがありますので、所要時間も見て、車両を選びます
乗りたい高鉄を選択すると、座席のランクを選択する画面になります
一等は、席が広く、ゆったり座れます
長時間乗車する場合は、一等をおすすめします
「无座」は、座席なしです
「无座」を購入して、他人の一等席に座り込む人がいるようですので、当日は、早めに着席した方が良いです
座席を選択したら、次は乗車する人を選択します
自分が登録されているので、自分を選択して、「确认」をタップします
座席の位置、窓側か通路側か選択します
窗:窓側です
过道:通路側です
「提交订单」をタップします
「立即支付」をタップして、支払いに移ります
支払いには、支付宝(Alipay/アリペイ)、微信支付(WeChat Pay)、国際卡(VISA、MASTER、JCB、Diners、DISCOVER)が使えます
ここでは、支付宝を選択します
「提交支付」をタップすると、支付宝の支払い画面に飛ぶので、クレジットカードを選択し、支払いを完了させます
購入が完了するとトップ画面に購入した乗車券が表示されます
購入した乗車券は、「我的」—>「我的订单」—>「本人车票」でも確認できます
※日付が1月3日になっていますが、これはサンプル画面ではなく、実際に購入した時の画面を使っています
高鉄(中国新幹線)の乗り方
上海虹橋駅から新幹線(高鉄)に乗る場合の具体例を見ていきます。
乗車までのタイムスケジュール
鉄路12306で購入すると、紙の乗車券を発券する必要がないため、従来より時間短縮ができます。
何時までに駅に着けば良いのかというと大体次のような感じになると思います。
繁忙期かどうかによっても変わりますので、あくまでも目安であるとご理解ください。
おすすめは、発車時刻の約40分前〜1時間前です。
ギリギリの場合は、発車時刻の約30分前です。
- 地下鉄 虹橋火車駅下車〜高鉄の上海虹橋駅フロアまでの所要時間:約10分
- セキュリティチェック:約5分
- 改札ゲートに並ぶ時間:発車時刻の約25分前までに並ぶ
- 改札ゲートオープン:発車時刻の約15分前
- 改札ゲートクローズ:発車時刻の5分前
以下、詳細に見ていきます。
上海虹橋駅から漢口駅へ向かう
虹橋火車駅は、地下鉄2号線、10号線で行くことができます。
地下鉄を下車したら、地下フロアから高鉄の上海虹橋駅2階出発フロアを目指します。
セキュリティチェック
2階出発フロアに到着したら、外国人は、まずパスポートチェックを受けます。
中国人の場合は、身分証を機械にタッチして通過できますが、外国人のパスポートには対応していないため、有人の通路でパスポートのチェックを受けます。
有人の通路が分からない場合は、駅係員にパスポートを見せるだけで、有人の通路を教えてくれます。
この時、中国語は話さなくても大丈夫です。
駅係員は、外国人対応に慣れています。
上からみるとこのような感じです。
①が、有人の通路です。ここで、パスポートチェックを受けます。
その後、②で荷物のX線検査があります。
この時は、あまり並んでいませんでしたが、労働節や、国慶節などの繁忙期は、長蛇の列になることが予想されますので、余裕を持って上海虹橋駅に行った方が良いでしょう。
私の失敗談ですが、ネット購入して、窓口で発券してもらう必要があった時代に高鉄に乗り遅れた経験があります。
その時は、労働節だったので、窓口は長蛇の列で、全く前に進みません。
結局、発券ができず、肩を落として自宅マンションに帰った経験があります。
こちらが、窓口です。
今では、紙の乗車券を発券する人は、ほとんどいないため、稼働している窓口は少なかったです。
駅構内に入る
セキュリティチェックを通過して、駅構内に入場できたら、乗車券を見て改札ゲートを確認しましょう。
改札ゲート番号は、「检票口」の番号を確認します
26ABとなっているので、26Aか26Bから入ることができます
とはいっても、自分の乗る車両に近いのは、26Aか、 26Bかを確認して、近い方に並びます
「座位号」が座席番号です
01 车06Aは、1号車の座席6Aのことです
列車番号D3026の場合、1号車から8号車の乗車券を持っている人は、检票口26Aが近いと表示がされています。
列車番号D3026の場合、9号車から16号車の乗車券を持っている方は、检票口26Bが近いと表示されています。
駅構内には、自販機があり、WeChat Payやアリペイで購入できます。
カップ麺を購入して、食べている人を見かけました。
改札ゲートオープン
発車時刻の15分前前後に改札ゲートがオープンします。
ほとんどの人は、発車時刻の25分くらい前から並び始めていますので、列ができ始めたら並ぶようにした方が良いでしょう。
中国の場合、自分の座席に他人が座ってしまって動いてくれないというトラブルをよく聞きます。
中国語が話せる人であれば、理由を聞いて対応することもできますが、中国語の話せない方は、厳しいでしょう。
座席なし乗車券の人が、座り込んでしまっている場合、席を交換するといった解決策もありません。
上海虹橋駅が始発であったとしても、先に乗車して座り込まれてしまうこともありますので、早いに越したことはありません。
並ぶ位置は、できるだけ係員がいる列がいいでしょう。
QRコード読み取りエラーなどが発生した場合、対応が早いです。
係員がいるのは、左右どちらか端の列です。
改札ゲートを通るには、鉄路12306のトップページから乗車券を表示します
「乘车码」をタップします
乗車券(QRコード)が表示されます
改札ゲートの赤枠で記した部分が、QRコード読み取り口です。
ここにQRコードをかざします。
だいたい、5センチくらい浮かした方が良い感じでした。
何度か、エラーが出たら、係員に助けを求めましょう。
漢口駅で改札ゲートを出る時は、一発OKでしたが、上海虹橋駅では、エラーが出ました。
上海虹橋駅では、エラーが出ても係員が「入って」という指示をしてくれるので、もしかするとQRに対応できていないのかもしれません。エラーが出ても気にする必要はなさそうです。
いざホームへ
ホームに降りたら、あとは自分の乗る車両を探して乗り込むだけです。
注意点が1つあります。
発車時刻ギリギリまでホームで記念写真を撮るのは、やめてください。
中国の場合、発車ベルもなく、発車時刻より前に発車する場合があります。
自分が乗車した和谐号です。
自分が乗車した車内の写真です。
始発駅だったので、座席は空席だらけでした。
上海近郊では、低速で走っていましたが、途中から240㎞/h以上で走っていました。
改札を出る
上海虹橋駅を出発し、5時間25分で時間通りに漢口駅に到着しました。
列車番号が、途中でD3026からD3027に変更になっていました。
日本の新幹線と同じように高鉄から出る際は、乗車券を改札ゲートにかざす必要があります。
上海虹橋駅とは異なり、漢口駅では、すぐに読み取り完了しました。(やれ、やれ)
乗車プレゼントのある高鉄
一部の高鉄では、一等座に乗車すると乗車プレゼントが貰えます。
列車番号が、G1xxx〜G4999であれば、乗車プレゼントが貰えます。
鉄道管理会社により、プレゼント配布の有無や内容が決まっているようです。
上海虹橋駅〜武漢駅まで乗車した時に貰ったプレゼントは、写真のようなものでした。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
2023年は、新型コロナも落ち着き、中国における旅行環境は、大きく改善されたと感じます。
例えば、アリペイや WeChat Payにクレジットカードが登録できるようになったり、鉄路12306では、オンラインで実名認証ができるようになったりと、以前と比べると格段に外国人に優しくなってきたと感じます。
一方で、英語が通じないケースが多いのは相変わらずですし、中国語が話せないと厳しいという環境は続いています。
言葉の壁は、想定内のことですから、筆談できる準備をしておくと良いでしょう。(メモ用紙)
同じ漢字文化ですので、漢字を書けば通じることが多いです。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
日本人でも中国の携帯番号を持つことができます。
詳しくは、次の記事をご覧ください。
アリペイ(Alipay/支付宝)へのクレジットカード登録方法は、次の記事をご覧ください。
WeChat Pay(微信支付)へのクレジットカード登録方法は、次の記事をご覧ください。
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