富士フイルムの純正M MOUNT ADAPTERを使ってMマウントレンズ、Lマウントレンズで昭和記念公園の紅葉を撮影してみました。
MマウントレンズやLマウントレンズを富士フイルムのXシリーズカメラで使う場合の使い方を紹介します。
Mマウントレンズの焦点距離
富士フイルムのXシリーズのフランジバックは17.7ミリで、多くの他社製レンズがマウントアダプターを介することで楽しむことができます。
富士フイルムのXシリーズカメラは、APS-Cカメラのため、35mmフルサイズよりも1.5倍の焦点距離相当の画角になります。
このため、オールドレンズにありがちな周辺光量落ちなどを気にすることなく使うことができます。
短所としては、広角レンズの描写を得ることが難しくなることです。
24mmレンズを装着しても35mm相当の画角になってしまいます。
マウントアダプターによっては、補正レンズ(レデューサーレンズ)を内蔵し、APS-Cカメラでも35mmフルサイズと同じ画角になるように設計されているものもあります。
Xシリーズカメラ用Mマウントアダプターには、補正レンズ付きのマウントアダプターは、存在しないため、1.5倍の画角に慣れる必要があります。
M MOUNT ADAPTERの使い方
富士フイルム純正 M MOUNT ADAPTERには、Mマウントレンズをそのまま装着できます。
Lマウントレンズを装着するには、L-M変換リングをLマウントレンズ装着する必要があります。
富士フイルム純正 M MOUNT ADAPTERです。
左側にファンクションボタンが付いており、このボタンを押すことで、焦点距離設定、収差補正などのメニューを呼び出すことができます
ファンクションボタンとカメラボディを連携させるための電子接点が付いています。
こちらが、L-M変換リングの例です。
マニュアルフォーカスの設定
富士フイルムのXシリーズカメラには、MFアシスト機能が装備されています。
マニュアルフォーカスのレンズを装着した場合にピント調節をやりやすくするためにMFアシストが装備されています。
MFアシストは、ピント合わせのために、スタンダード、デジタルスプリットイメージ、フォーカスピーキングの3つの機能が備わっています。
オールドレンズを装着してピント合わせをする場合、フォーカスピーキング一択です。
フォーカスピーキングを使用するには、まず、フォーカス設定からMFアシストを選択します
フォーカスピーキングを選択します
レッド(強)を選択します
レッドが視認性が高いため、ここではレッドを選択しています
被写体が赤系の場合は、ブルー(強)を選択します
マニュアル撮影時のピントの合わせ方
フォーカスピーキングを使ったピント合わせの実例を紹介します。
フォーカスピーキングでは、ピントが合っている部分に色つけを行なってくれます
レッド(強)を選択した場合は赤くなります
フォーカスピーキング ブルー(強)を選択した場合は、ピントが合っている部分が青くなります
実際にシャッターボタンを押して撮影した画像です。
しっかり鉄人28号にピントが合っています。
後方のビンドゥンドゥンにピントを合わせた場合は、このようになります
EVFファインダーでは、ライブビュー画面と同じようにピントの合った部分が青くなります
こちらが、ビンドゥンドゥンが青くなっている状態でシャッターボタンを押した時の画像です。
ビンドゥンドゥンにピントが合って、鉄人28号はフォーカスアウトしているのがわかります。
EVFファインダー内が暗く見える場合の回避策
マニュアルレンズを装着するとファインダーが暗く見える場合があります。
現在のカメラは、開放測光が当たり前ですが、昔のカメラは、絞り込み測光が標準でした。
レンズを絞り込んだ時にEVFファインダーが暗くなる場合には、次の回避方法があります。
- EVFが暗く感じる場合は、背面液晶のライブビュー撮影を行う
- X-Pro2でEVFが暗く感じる場合は、ERF(OVF+EVFの2画面機能)を使う
- ピント合わせ時は絞りを開放にして、撮影時は絞りを絞って、シャッターボタンを押す
- セットアップ→表示設定→EVF明るさ→マニュアルで明るさ設定を変更する
X-Pro2のファインダー切り替え方法については、次の公式サイトをご覧ください。
【公式】富士フイルム ハイブリッドビューファインダーの表示切り換え
昭和記念公園で使用したレンズ
昭和記念公園の紅葉を撮影するために使用したレンズは、次の5つです。
全て単焦点レンズのため、携帯するレンズ本数が増えてしまいます。
こういう時ズームレンズのありがたさを感じます。
オールドレンズの楽しみ方としては、レンズ選択を楽しむ、ピント合わせを楽しむ、露出設定を楽しむという楽しみ方があります。
この楽しみを是非味わってみてほしいです。
レンズを上から見た画像と横から見た画像を掲載します。
①フォクトレンダー カラースコパー 21mm F4 (Lマウント)
②カールツァイス ビオゴン 28mm F2.8ZM (Mマウント)
③ミノルタ CLE用 Mロッコール 40mm F2 (Mマウント)
④ソ連製 ジュピター3 50mm F1.5 (Lマウント)
⑤フォクトレンダースーパーへリアー 75mm F2.5 (Lマウント)
オールドレンズ in 昭和記念公園
昭和記念公園での撮影で使用したカメラは、X-Pro2、フィルムシミュレーションは、ベルビアを使用しています。
焦点距離を設定する
M MOUNT ADAPTERにレンズをセットしてからカメラボディに装着します。
カメラボディに装着したら、次の手順に従って焦点距離をセットします。
Exifデータにレンズ名は記録されないので、この設定をしておかないと、後でExifデータを見て、どのレンズで撮影した画像か判断がつかなくなります。
富士フイルム純正 M MOUNT ADAPTERは、手軽に焦点距離がセットできるファンクションボタンが付いているのでおすすめです。
ファンクションボタンを押します
レンズ登録を選択します
焦点距離は6種類まで選択可能です
レンズ5とレンズ6は、自分で焦点距離を設定できます
ここで設定した焦点距離がExifデータに記録されます
X-Pro2の場合、この焦点距離でOVFのブライトフレームが表示されます
フォクトレンダー カラースコパー 21mm F4
焦点距離は21mmですが、APS-Cカメラでは32mm相当の画角になります。
昭和記念公園の西立川口です。
西立川口が入るとすぐに池が広がっています。
池の周りには色づいた木々が立ち並んでいました。
カールツァイス ビオゴン 28mm F2.8ZM
焦点距離42mmレンズと同じ画角になりますが、カールツァイスの発色、表現力が十分発揮されています。
このレンズは、フィルムメラで使っている時から一番気に入っているレンズでしたが、デジタルでも使いやすいレンズでした。
イチョウの木も輝いていました。
昭和記念公園内にある日本庭園エリアで撮影しました。
日本庭園エリアに入ったのは初めてでしたが、日本庭園と紅葉のコラボレーションが素晴らしかったです。
こちらも日本庭園内で撮影しました。
ミノルタ Mロッコール 40mm F2
このMロッコールレンズは、ミノルタ(現ソニー)CLEカメラの標準レンズです。
なぜか、50mmではなく、40mmが標準レンズとしてついていました。
こちらは、西立川口にある池のボート乗り場から撮影しています。
日本庭園内の紅葉です。
白い服装の人が見えますが、紅葉をバックに結婚式用の写真撮影をしていました。
ジュピター3 50mm F1.5
ジュピター3は、ソ連製のオールドレンズです。
F値が1.5と明るいので、ボケ味はどんな感じか試したくて購入しました。
F1.5のボケ味は、全体的にボケる感じで、F1.5で使用できるものではありませんでした。
ある程度絞り込まないといけないレンズです。
フォクトレンダー スーパーヘリアー 75mm F2.5
ボート乗り場にある売店を撮影しました。
カラフルな看板がどの程度再現できるのか、試しに撮影しました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
富士フイルムのXシリーズカメラは、オールドレンズを使うことを前提とした設計がされています。
そのための機能を装備しているため、ぜひ、オールドレンズを使った写真撮影を楽しんでいただきたいと思います。
オールドレンズでの撮影は、どのレンズを使うのか、ピント合わせは機械まかせではなく自分の目で合わせるなど写真撮影の原点に回帰できる機会を与えてくれます。
Xシリーズのカメラで様々な他社製レンズを楽しまれてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次の記事では、Canon EFレンズをXシリーズカメラで使うためのマウントアダプターについて紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
富士フイルム純正 M MOUNT ADAPTERです。
L-M変換リングは、レンズの焦点距離により3種類発売されています。
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