もうかなり昔のとことになるが、初めてローライで撮影した6x6の”ましかく写真”を見た時、とても新鮮に見えました。
いまでこそ、デジタルカメラ全盛で、四角にも長方形にもなりますが、その頃の私は35ミリ判の長方形の写真しか見たことがありませんでした。
“ましかく写真”を見てから急に気になりだし、それを撮ることが出来るカメラを探し始めたのです。
“ましかく写真”といえば中判カメラのローライやハッセルだが、値段が高くて手が出ません。
探し始めて間もなく35ミリ判でも”ましかく写真”が撮れるカメラがあることを知りました。
たとえば、マミヤスケッチ(1959)、ロボットI(1934)、ロボットロイヤルIII(1956)、タクソナ(1950)、テナックスII(1937)などです。
これらは通常36ミリx24ミリでフィルムに露光するのを24ミリx24ミリで露光します。
つまり撮影枚数も普通よりたくさん撮影できるというわけです。マミヤスケッチが発売された年にハーフサイズも発売され、結局、オリンパスペンなどのハーフサイズが大きくシェアを取ったため、マミヤスケッチは流行らなかったみたいです。(ちょっと古い話で恐縮ですが、広末涼子さんもマミヤスケッチを持っているとカメラ雑誌で見たことがあります。)
これらの24ミリx24ミリのカメラは大きく以下の違いがあります。
焦点調節:固定 or 目測 or 距離計連動
レンズ交換:可能 or 不可
レンズ交換は出来なくても問題ないけど、距離計は必須かなと思い、マミヤスケッチ、ロボットロイヤルIII、テナックスIIに絞りました。
結局、マミヤスケッチは中古市場に出てなくて、玉数、価格でツァイス・イコンのテナックスIIに決めました。
テナックスIIは、距離計連動、レンズ交換可能、さらに、テナックスIIは通常シンクロ接点がないのに、私の手に入れたテナックスIIはX接点改造がされていてストロボが使用できます。これははっきり言って重宝しています。
テナックスIIのファインダーは大きく、非常に見易くて写真を撮っていて楽しいと感じます。もちろん、ましかくファインダーです。
フォーカスは二重像合致式。
シャッタースピードは、B,1~1/400。
フィルム巻き上げは、フロントについているレバー(通称、招き猫)で巻き上げできます。速写を可能とする巻上げ方式だそうだが、結局慣れないとどうしようもないから意味を感じません。
レンズはカール・ツァイス・イエナ製テッサー 40ミリF2.8。私は持っていませんが、交換レンズとして、ゾナー40ミリF2、オルソメター27ミリF4.5、ゾナー75ミリF4があるみたいです。私は広角が好きなので、27ミリレンズが欲しいところなのですが、日本で探すのは難しそうです。探すなら海外オークションのebayを根気よく探すしかないかなと。(余談だがebayは時々使っています。)
写りは、レンズ次第。私が持っているテッサーレンズはフレアーが出やすい。良く言えばソフトな写り。
最近のデジタルカメラの中には、”ましかく”で撮影出来るものがあります。
私が”ましかく写真”を必要とするのは、卓上カレンダー用の写真です。年末になると自分の写真を使った卓上カレンダーを作り、仲の良い友人に配るのですが、横長の写真を使うとカレンダーとケンカします。縦長もしくは、”ましかく写真”が収まりがいいのです。
そんなこんなで手に入れたのが、今回のテーマ TENAX IIです。
TENAX IIの仕様
TENAX IIの仕様を表にまとめました。
見てのとおり、露出計はないし、もちろんあオートフォーカスもありません。
フィルルムは、一般的な135フィルムが使えるので、今でも使えると思う。
フィルムの巻き上げは、前面にあるレバーで行います。
それ故、「招き猫」の愛称を持っています。
このカメラの魅力は、あのツァイスレンズだということ。
でも20世紀初頭のカメラゆえ、写りはいまいちですかね。
銀座の中古カメラショップで購入したのを覚えています。
シャッター形式 | コンパー・ラピッド ビハインドシャッター方式 |
シャッター速度 | B,1~1/400、セルフタイマー付 |
シンクロ接点 | なし(稀にX接点改造の固体あり) |
距離計 | ドレーカイル式連動距離計 |
レンズ | 交換式 40mmF2、40mmF2.8、27mmF4.5、75mmF4 |
マウント | テナックスバヨネットマウント |
フィルムカウンター | 0~45 |
フィルム | 35ミリパトローネフィルム(135) |
画面サイズ | 24ミリ×24ミリ |
重量 | 約630g |
発売 | 1937年 |
メーカー | ツァイス・イコン |
もし、よろしければ、以下のフィルムカメラの記事もご覧ください。
現代に蘇るTENAX IIのましかく写真
ある日、このカメラを携えてハウステンボスへ向かいました。
以下、掲載する写真は、ハウステンボスで撮影した写真です。
フイルムは、フジフイルム RVP100です。
1930年代のカメラだから、写りがいいとか、シャープだとか、発色がどうのこうのと、そんな価値観では測れません。
それっぽいレトロ調な雰囲気を感じ取っていいただければいいかな。
いかんせん、レンズがもう終わっている感も否めません。
それでも、このTENAX IIは、正統派 ツァイス・イコン製であることには、変わりないのです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
次の記事でレトロなフィルムカメラについて書いています。
よろしければ、ぜひご覧ください。
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